産後の腰痛・恥骨痛
産後の骨盤調整に来室のFさんは産後4ヶ月のママさん。
妊娠中も腰痛があったそうですが、出産後は腰痛と恥骨痛も併発してしまったそうです。
今は立っていても座っていても寝ていても痛いそうです。
座位での検査の後、仰向けも結構痛いそうなので、座位のまま痛みを調整していきます。
下肢の筋肉をポンピングして、循環を高めた後、足組み法で骨盤の歪みを調整します。
『ちょっと楽になったかもしれない』 と痛みが変化したようです。
立っても「さっきよりもイイみたい」
今度は腸骨活点を使って骨盤を締めていきます。
そしてトコちゃんベルトでサポートして、仰向けになってもらいます。
仰向けで足を伸ばすと痛みがありますが、膝を立てているとほぼ痛みが無いようです。
骨盤高位の姿勢でベルトを締め直してから足を伸ばすと
『これなら大丈夫そうです。
やっぱ骨盤が弛んでいたんですねぇ。』
現在の産科医療では出産後すぐに立たせているようですが、伝統的な整体法では左右の体温が(三度目に)揃ったときに起き上がるよう指導しています。
産後の骨盤は不安定です。
これでしばらく仰向けが出来そうなので、ブロックを使って身体の循環を高めていきます。
体幹の循環を高めると先程締め直したベルトが、再びユルユルに
「まだ締まるんですかぁ?
どんだけ骨盤が開いていたんですかぁ?」
ちょっとショックだったようです。
次に関節可動域のチェック。
仙腸関節・股関節も若干の渋さがありましたが、下肢の循環を高める操法で解除できました。
問題の恥骨、やはりロックします。
右の片ひざ倒しをすると恥骨周辺に痛みが出ます。
これは恥骨の関節動作法で取っていきます。
恥骨の恥骨のロックを解除すると、右の片膝倒しの痛みも取れました。
次にうつ伏せに。
うつ伏せで筋肉のポンプをして、さらに循環を高めておきます。
これで一度確認すると寝た姿勢・座った姿勢・立った姿勢・歩行での痛みは
「痛みはほとんどなくなりましたが、まだ少し動くと違和感が残ります。」
痛みは大幅に軽減していましたので、深追いせずに今回の施術はここまでとし、恥骨の関節動作法をおさらいして次回としました。
2回目(1週間後)
「だいぶ良くなっている感じです!」
初回には「立っていても座っていても寝ていても痛い」のが、「長時間座っている時、その後の動き始め、寝返り」くらいに収まって、痛みの強さも「以前ほどじゃない」と落ち着いてきました。
上手くセルフエクササイズも出来ているようです。
今回は最初から仰向けが出来ましたので、施術台に横なってもらい、寝返りを確かめてもらいます。
検査後はブロックを使って身体の循環を高める操法から始めます。
一通り循環を高めた後に寝返りを確認すると
「右への寝返りは痛くなくなってます。左へ寝返る時はまだ痛いです。」
この寝返りの痛みは腸骨の関節動作法で取れてくれました。
今度はうつ伏せで四肢体幹の筋肉を緩め、さらに循環を上げていきます。
もう一度仰向けに戻って(この時は痛みは出ませんでした)関節可動域のチェック・改善をしていきます。
仙腸関節・股関節は大分動きがよくなっています。
恥骨は痛みはありませんでしたが、少し引っかかる感じがあるそうなので、再度恥骨の関節動作法で調整しておきます。
ここで起き上がって再確認です。
起き上がる時の寝返りは
「今は大丈夫でした。」
座っての骨盤・脊柱も弾力が出ています。
肩の動きもスムーズです。
長時間座っての痛みは確認できませんので、帰宅後確認してもらいます。
その後2回(計4回)の施術で、訴えのあった症状はすべて解除できました。