腹部の緊張から股関節痛?の高校球児
高校球児のT君(高3)。
3カ月位前から左の股関節・そけい部周辺に痛みが出るようになってしまいました。
初回来室時の症状は
左足を動かすと左足の内転筋からそけい部・下腹部辺りまで痛い、
特に股関節を内転・内旋(バッティングで膝を締める動作)が痛い、
内転筋・恥骨周辺に圧痛がある、
状態でした。
練習は別メニューで行っていました。
病院では股関節の「骨には異常なし」と言われ、痛み止めを処方されています。痛みが取れないようなら、股関節にヒアルロン酸を入れてみてはと云われています。
初回
全身の筋肉が緊張しているため、まずはしっかりと体の循環力を高め、疲労を取っていきます。
その後下半身から各関節の可動をチェックしていきます。
「股関節」周辺が痛いことから、本人も病院も股関節に問題があるとしていますが、当方の検査では(痛みはありますが)股関節の歪みや関節の引っ掛かりはそれ程見られません。
圧痛も細かく見ていくと股関節・そけい部と云うより、内転筋~恥骨にかけての痛みが顕著です。
股関節以外の可能性も頭に入れながら、先ずは股関節周辺・大腿部・臀部の緊張を取っていきます。
左右それぞれの臀部・大腿部の緊張を緩めても、あまり股関節の可動痛に変化はありません。
疼痛誘発動作で施術ポイントを探っていきます。
何箇所かで変化が出ましたが、一番大きく変化した腹部の緊張を取っていきます。
最近では中学・高校の運動部でも盛んに筋トレ・体幹トレを行っていますが、T君のチームでも熱心に体幹トレを行っているそうです。
Tくんの腹部はあお向けでリラックスした状態でも、緊張が解けずにカチカチの状態です。
腹部が緊張したまま体幹を捻れば、筋肉の付着部の椎骨や小転子に負担が掛ることになります。
頭部第2を刺激して腹直筋を緩めると
「さっきより動かしやすいです。」
更に左の大腰筋・腸骨筋の緊張をカウンターストレインで取っていくと、仰臥位での股関節の可動痛は
「だいぶ痛みが軽くなりました」
試しに起き上がってバッティングの素振りをしてもらうと
「まだ痛みはありますが、足を踏み出せます。スゴイ!」
もう1度あお向けで右の腹部を緩めてバランスを取っておいて、左右の大腰筋をMETでストレッチしていきます。
今度は先程の素振りで気になった広めのステップ幅を少し狭めて
「また痛みが軽くなりました。」
当初の痛みが10⇒3位まで軽減しました。
今回は深追いせずにここまでにして、何故痛みが出てしまったか、何故痛みが軽減したか、どうすれば再発を防止できるかを説明し次回としました。
2回目(5日後)
昨日からチームの練習に合流したそうです。まだ少し違和感がありますが「痛みはない」そうです。
今回も身体の循環力を高め、疲労を取ってから各々の関節の可動域を指標に施術ポイントを探っていきます。
今回も腹部が一番変化しました。
今回は筋膜の癒着を取るような施術を行ってみました。当室では珍しい少し痛みを伴う施術です。
立って確認すると
「さっきまでの違和感もなくなっています。ステップも大きく踏み出せます。」
再度身体の循環を整えて終了としました。
何か所も病院や治療院を回ってきた人は(実際はかなり多いのですが)今まで「悪い」といわれていたポイントと、当室の検査によって判明した施術ポイントは一致しないことがあります。
腰や股関節の症状が腹部だったり、肩の痛みが足関節だったり…
一見全く関係ないところから症状が出ていることもよくあります。
先入観にとらわれない丁寧な検査が改善への第1歩となります。
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