「骨には異常ありません、カカトの成長痛でしょう」と言われた高校生 1
2016/08/10
歩くと右のカカトが痛むM君(高校生・男性)
特にスポーツはやっていないし、ぶつけたり捻ったりなどの外傷は思い当たることはなかったそうですが、1カ月ほど前から右のカカトが痛くなってしまいました。
病院では「骨には異常ありません、カカトの成長痛でしょう。」と云われ湿布を処方されました。
来室時の症状は
足踏み程度でも右のカカトが痛みますが、腰掛けた姿勢で指などでカカトを押しても痛みは出ません。
立った時・荷重がかかった時に足首周辺の歪みやバランスの崩れが起こる可能性を疑いました
いつものように身体の循環を高める操法から始め、全身の疲労や緊張をとっていきます。
これで一度確認すると『まだ痛いけど、さっきよりは楽になった』と軽減していました。
次に下肢の関節の可動域をチェックし整えていきます。
特に仙腸関節と股関節が硬く可動域が狭くなっていました。
ここでもう一度チェック
「さっきよりも楽になったけど、最後こうする時ピリッと来ます。」
改めて痛みの出る動作を診て行くと、今度はカカトが着地する時ではなく、足先が地面から離れる時に痛みが残るようです。
足首底屈時の関節動作法で関節軸を調整し、念の為内踝外踝をサラシ固定をしてみました。
『お~ これなら痛くないです。』
これで足踏みや立ったり座ったり、ひざの屈伸など足を動かしても痛みが出なくなりました。
「体育の授業で痛みが出たんですが、自分でも改善できました」と嬉しそうに報告してくれました。
体育の授業までは日常生活では痛み無く過ごせていたそうです。
体育の授業で軽く走ったところまでは良かったそうですが、ダッシュをして痛みが再発してしまいました。
でもこの時の痛みをM君はセルフエクササイズで軽減させてしまったのです。
今でも普通に歩く程度なら痛みも無いそうです。
M君の回復力は大したもんです。
今回の検査ではジャンプの時(足が床を蹴る時)に痛みが再現されました。
この痛みをターゲットに施術をしていきます。
体幹の循環を高める施術の後、下肢の関節の可動域を調整していきます。
仙腸関節と股関節の硬さは少し戻っていましたがスムーズに改善できました。
今回は右足首の調整の後、もう少し細かく見ていきました。
カカトや甲の骨の動きが硬いのを調整し、一度ジャンプして確認してみます。
「だいぶイイですけど、最後の最後ピリッと来る感じです。」
足首の底屈痛ではなくなっているようなので、母趾示趾の関節動作法をやってみます。
「これでどうでしょう?」
「さっきまでのピリッとしたのも取れました。」
中足骨が開き気味なのでテーピングで締めておきます。
M君の場合、足趾の機能が衰えていることや、骨盤の後傾・生理湾曲が失われてしまっていることなどがカカト痛の背景にあると考えられます。再発防止のためにも足趾のエクササイズや、骨盤を立てるように心がけていく必要があります。
セルフエクササイズをおさらいして次回としました。
多くの場合、少年期の、骨や筋肉などに損傷が見られない痛みは、取りあえず「成長痛」と云われ、運動を制限され湿布やストレッチで痛みが引くのを待つのが、医学的なセオリーのようです。
数日で痛みが改善してくればよいのですが、中には半年・一年と痛みが引かないケースもあるようです。
当室の成長痛の施術例ではひざ痛の「オスグット」が多いですが、今回のような「カカト痛」や「尾骨痛」で「成長痛」と云われたケースも散見されます。
成長痛を云われ痛み止めや湿布・ストレッチなどで「様子を見てみましょう」と云われている方や2週間以上痛みが軽減していない方は一度相談してもらいたいです。
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