立っていると痛い、歩くと痛い急性腰痛の60代男性 1
紹介で来室のHさん(60代男性・管理職)
数日前から急に腰痛になり、以前からのクライアントさんの紹介で来室されました。
来室時の状態は
立位や歩行時に左腰が痛い、痛みはかなり強い
座位や仰臥位ではほとんど痛くない
慢性的に肩こり首こりも感じている、そうです。
スポーツマンで普段からテニスをやっているそうです。
1回目
立位・座位で痛みの状況を確認していきます。
座位では比較的痛みなく動ける動けるようですが、立位になると立っただけでも痛みがあり歩くと痛みが強くなるそうです。
肩こり首こりのためか、首・肩には可動制限があります。
最初に座位で出来る肩こり首こりの解除から始めます。
首周辺の圧痛を指標に圧痛が軽減するポイントを探していきます。
Hさんの場合、手掌特に母指からの筋膜ラインで反応がありました。
母指球から前腕を緩めると、首肩の可動制限は大幅に改善されます。
筋膜ライン上のツボも試してみます。
手の三里で肩口から首が気持ちが良いそうです。
呼吸がゆったりしてきたところでひとまず終了にして、主訴の腰痛の解除に入ります。
最近特に注目している足部(足首より下)を診ていきます。
両足共ですが、特に患側の左足は外反母趾・内反小趾が目立ちます。
これでスポーツをすれば、やればやるほど故障のリスクが高まります。
足趾の縮こまりを伸ばし、足のアーチを調整していきます。
これで一度立ち上がってもらいます。
「足だけで変わるもんですねぇ」
まだ痛み・怖さは残るものの痛みは軽減しているそうです。
施術台に載っての施術をしていきます。
セルフエクササイズがてら全身調整用のバスタオルのマクラを当てながら、更に足趾の調整をしていきます。
特に薬趾小趾の縮こまりを伸ばし、趾骨間の詰まりを取っていきます。
趾骨間の調整はかなり痛みがあったようです。
ここでもう一度立ち上がって確認です。
「だいぶ良いですが、まだちょっとあります。」
立位のまま疼痛誘発動作で、筋膜ラインを検査していきます。
下腿部から大腿部にかけての外側で、もう少し痛みが取れそうです。
側臥位で動作法で下肢の外側を緩めていきます。
「だいぶ楽になりました。」
今度は首こり肩こりを追いかけます。
手掌から前腕の張りを取り、大腸経のツボを刺激していきます。
腕のツボはご自身でもやりやすいので、場所を覚えてもらい仕事の合間にやってもらいましょう。
急性腰痛の痛みも首肩のコリも軽くなったので、深追いせず終了としました。
一般に運動することは健康に良いことと思われがちですが、身体の状態によっては運動すればするほど身体が崩れることがあります。
特に元気が一番整体室では、足部の状態は注意深く観察・検査・調整しています。