が足炎と言われた中学生 1
3週間くらい前から左足の膝から脛の内側に痛みが出るようになり、病院のスポーツ外来でが足炎(がそくえん)と云われた中学生のK君。
部活のバスケと陸上大会が重なり発症したようです。
数か月前には右足首の捻挫もあって、足関節底屈時に痛みが残っていました。
病院では練習を休むように言われ、湿布をもらいましたが痛みが取れません。
現在は痛みを我慢し、足を引きずりながらバスケをしているそうです。
来室時の症状は
左足鵞足部に圧痛がある、
膝の屈曲で鵞足部に痛みが出る、
その他に右足首の捻挫の後遺症で底屈時痛がありました。
最初に右足首の底屈時痛をチェックします。
足首の捻挫はとりあえずの痛みが取れると治ったと考えがちですが、靱帯に緩みが残るとその後に膝痛や腰痛の原因になることもあるので、あまり甘く見ない方がよいです。
足首の関節動作法で痛みを取りましたが安定しないようなので、足首を締めてみると安定してきました。
とりあえずテーピングで固定しておきます。
次に駕足部の圧痛を処理していきます。
検査をすると鵞足部に付着する3つの筋のうち、骨盤前面から斜めに走る縫工筋の影響で痛みがあるようです。
縫工筋をリリースすると、7割方圧痛が取れました。
残りは組織復元法で圧痛を軽減していきます。
途中からK君自身で組織復元法を行い圧痛を取っていきます。
付き添いのお父さんは不思議そうに
「それで痛みが軽くなるんかい」と聞いています。
8・9割方痛みが取れたところで、ひざの屈曲時痛を取っていきます。
ハムストの筋膜を剥がし脛骨内側の硬結を取ると、体重を掛けなければひざがほぼ正常に曲がるようになります。
体重をかけるとまだ4・5割痛みが残るそうです。
疼痛誘発動作で問題個所を探していきます。
体幹の深層筋・殿筋群で反応がありました。
立位のまま緩めると痛みは残り1・2割まで軽減。
最後に膝の関節動作法で調整すると
「さっきよりも楽」になりました。
痛みは取れきれませんでしたが、施術前から比べると大幅に軽減できたので、深追いせずに次回としました。
鵞足炎もオーバーユースによる疲労性の痛みですが、元々の原因としては下肢の重心の狂い、ひいては身体の歪み(身体の使い方の癖)が考えられます。
この歪みがある為に疲労してくると、一部に負担が集中して痛みとなる訳です。
問題となる歪み、それによる筋疲労や筋膜の問題を見つけ処理すれば、早期回復につながります。