手術痕が影響？！股関節周辺の不調を訴える６０代女性 １
股関節周辺の不調を訴えて来室のOさん（６０代女性・農業）
数年前から股関節周辺・臀部の張りやコリがあり、整形では臼蓋形成不全と言われたそうです。
手術はしたくないので騙し騙し来たが、最近症状が強くなってきたそうです。
来室時の状態は
立ち仕事をしていると臀部のコリ感が強い
左股関節の可動域が狭い
立位で足底の前足部が痛い
仕事が立ち仕事なので、日常的にコリや痛みを感じているそうです。
《施術》
座位で動作検査をしていきます。
骨盤や下部腰椎の弾力性が失われていました。肩外転の動きも渋く全体的に疲労が溜まっている印象です。
まずは脳脊髄敵の循環を調整して、身体の疲労を取っていきます。
ひざ倒しの動きもスムーズさが出てきましたが、右倒しでの左腰背部から臀部に突っ張り感が残ります。
下腿部から検査していきます。
アキレス周辺から脛骨内側のポイントでツッパリ感が軽減し動きもスムーズになります。
アキレスの筋腱移行部を緩め、脛骨内側の硬結を処理していきます。
左股関節の開排の動きを調整していきます。
下腿部の調整で多少可動域は広がりましたが、本人的には今一つのようです。
もう少し追いかけてみます。
内転筋群・ハムスト・筋間中隔．．．
下腹部の回盲部を調整すると本人も驚く改善です。
念のため手術歴を確認すると帝王切開で出産しているそうです。
手術痕の癒着を調整していくと更に可動域が広がります。
ひと通り仰臥位での調整が出来たので、座位・立位で再検査していきます。
骨盤下部腰椎は最初よりも弾力性を増しています。
肩外転は動きはスムーズでしたが可動域がいまひとつでしたので、座位のまま鎖骨を調整していきます。
これで肩外転もOK。
最後立位で股関節・臀部・前足部の確認です。
股関節の動きはスムーズで臀部のコリも消失していました。
今回は触っていない前足部の痛みも取れていました。
「何十年も前の手術痕が、これほど影響していたなんて驚きです。」
セルフエクササイズをおさらいして次回としました。
股関節付近の不調を訴える女性で、帝王切開や婦人科の手術歴のある方が稀にいらっしゃいます。
施術をする上で、頭に入れておかなければならないと思いなおしました。