数年来のカカト痛(足底筋膜炎)と肋間神経痛 2
Mさん(40代男性)は右胸部の肋間神経痛、右足のカカト痛・外反母趾の痛み、右腸骨の腰痛で数年前から苦しんでいたそうです。
何か所かの病院や治療院も通院して痛み止めや湿布・電気治療などを受けていましたが、あまり思わしくなかったそうです。
職場の友人の足底筋膜炎の痛みが、当室で改善したと聞き来室されました。
来室時の状態は
右足かかとと拇趾付け根は歩いても痛い、長くは歩けない
右腰の痛みは右足を庇っているからか、歩いた後は痛い
右胸部は捻ったり右腕を使うと痛くなる
状態でした。
全体的に小太りの筋肉質で緊張の抜けにくいようでした。
踵の痛みは病院では「足底筋膜炎」との診断で、市販のインソールを使用しているがあまり痛みが軽減しないそうです。
痛みを我慢しながら仕事をしていたので、身体が常に防御態勢で身構えているようです。
〈2回目 (5日後)〉
「初回施術以降、日中の痛みは半減した。起床直後はまだ痛い。腰も重い感じだか痛いほどではない。肋間神経痛もまだ気になる。」
初回から痛みの変化がある程度維持できているようです。
仕事をしながらなので、疲労を取り筋肉の緊張を緩めることを優先して施術します。
今回も脳脊髄液の循環を調整して、過緊張状態にある身体を緩めていきます。
ひざ倒しの動きを指標に、右側の脛骨内側から内転筋群、体幹の深層筋を緩めていきます。
同様に左側の下肢の緊張も緩めていきます。
左側の動きは、広背筋やアームラインの緊張も影響しているようでした。
下肢の緊張を取った後は、うつ伏せで臀部から腰背部を緩めていきます。
再度先程の広背筋を剥がして行きます。
Mさんの肋間神経痛は、前回からの経過から横隔膜と関連があるようなので、胸郭の調整を通して横隔膜を緩めていきます。
ここで一度立ち上がって痛みの再確認。
足踏み程度ならカカト痛は気にならない。
肋間も腕を動かしても気にならない
右腰は少し重い感じが残っているので、腹横筋・腰方形筋を狙って力を集める体操をしてみます。
地味ですが結構きつい体操です。
3セットやってみました。
腰の重い感じが取れ、カカトの感じも軽く感じるそうです。
起床時のカカト痛は体幹の筋肉の弛緩で起きていることがありますので、自宅でも試してもらいましょう。
これからやっていくセルフエクササイズのおさらいをして次回としました。
湿布や痛み止め、インソールなど対症療法で解決しなかった足底筋膜炎の痛みも、改善する可能性があります。
決してカカトだけの原因で痛みが出ているわけではありません。
是非一度ご相談ください。